2006年12月30日土曜日

我が青春の『鉄コン筋クリート』


『鉄コン筋クリート』を新宿で鑑賞。帰省ラッシュも始まって都内に人は少ないかなぁ、ベスト10に入るような作品じゃないし、余裕で空いてるだろ、という考えが甘かった。結構早めに映画館に行ったにも関わらず長蛇の列。

みんな、考える事は同じなのね…

高校の頃、友人に松本大洋氏の作品を勧められて以来、『ストレート』~『青い春』~『ピンポン』といったメジャー作品や、コミック・キューというややマニアックな雑誌にのみ掲載された『ドラえもん』等々、穴が開くまで読み、独特の世界観に魅了されてきた。

で、今回のこの作品。映画化されるという噂を聞いて、期待に胸を膨らますこと5年以上。監督にコンピュータアニメーションの雄、マイケル・アリアスを向かえて(というか、森本晃司監督からバトンを受け継ぎ)難産の末の公開。

結論から言うと、『観る前に原作を読むことを強くお勧めする!!』
というのも、そもそも原作は一読してすんなり理解できる抽象度であるとは思っていない(というか、俺の頭が悪いのかも…)。シロとクロ、クロとイタチ、クロの葛藤、シロの感情、宝町の住人の葛藤をある程度踏まえて作品を鑑賞しないと、映画そのものを映像美のレベルの理解で留めてしまう恐れがあると思った。

それほど、原作未読者に優しい作品ではない。

で、原作既読者である私の感想は、『松本大洋の作品を、きっちりアニメ化してくれてありがとう!!』。今まで映画化された『ピンポン』『青い春』に全然満足していなかった私にとって、この映画は喉につっかえた骨が取れたような思い。忠実に原作に則りながら、アニメーションとしての映像美を付加する。『漫画をアニメーション化するってこういうことでしょ!!』と。監督であるマイケル・アリアスも随所で出演するくらい思い入れが強かったようで、その愛情が作品からビンビン感じられました。

(というか、私自身が漫画を映画化する際には、『原作を忠実に映像化すること』に重きをおいているということが、露に。監督特有の解釈は二の次になっているのか…監督特有の解釈と私の解釈が一致すると大満足、という構造だ、きっと。)

大画面・大音量で、『宝町で生活する人々』の感情を体験してみては。

その後『ろくもんや』@新宿南口でネギ焼きをたらふく食う。やっぱり丹波亭@新宿西口の方が好きだなぁ。

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