2007年11月20日火曜日

改めて「金融工学」に触れる。

久しぶりに金融工学の知識を呼び覚ましたいと思い、日本における金融工学の大家、今野先生の本をチョイス。

『金融工学の挑戦 テクノコマース化するビジネス』今野浩著 中公新書(2000年)
初版からだいぶ時間が経ってしまったけど、今読み返してみると非常に読みやすく、金融工学の(いや、理財工学の)歴史を体系立てて整理されていました。院生時代に金融工学をかじった身である私としては、金融工学を勉強する前に読んでおくべき本だったかもしれません(反省)。そして、私が初めて「金融工学」という科目を履修したときの先生は二宮先生で、著者である今野先生と非常に縁のある方だったいう事実…きちんと歴史も学ぶ必要がありました(猛省)。

二宮先生の授業、非常に判りやすかったんだよなぁ。
二宮先生の授業中の発言で印象深かったのは、「今、巷にあふれている金融商品のほとんどには、とんでもないリスクが埋め込まれていて、それが何も無いかのように平然と売られている」と、投資ブームに警鐘を鳴らす趣旨の発言でした。
で、この本に戻ると、
『外国の金融機関が狙っているのは、ひとえに、わが国の国民が戦後50年間の努力によって蓄えた1200兆円の個人資産であって、彼らには日本の産業の発展を支えるという発想は乏しいのである。短期的収益を重視する米国の金融機関が、日本市場で日本の将来を考えた活動を行ってくれる保証はないのである』(17頁より引用)
『これからインターネット株取引を始めようとしている人たちに、数年前に玄人たちが、"最近の株式市場は、玄人たちの取引ばかりで全くうまみがなくなった。いつになったら個人投資家は戻ってくるのだろう"、とボヤいていたという事実をお伝えしておこう。』(168頁より引用)
と倫理観あふれるコメント。信頼を寄せてしまいます。
君子じゃないけど、危うきに近寄らずですな。自己責任の範囲で。
金融工学、復習しようかなぁ。

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