2007年11月18日日曜日

Vinylというメディア

テープだって、ヴァイナルだって、CDだって、DVDだって、HDDだって、情報を記録しておくメディアでしかないわけで。一番重要なのは、そのメディアに記録されている情報なのではないだろうか。

音楽にしても、そんな気がする。
(確かに、ジャケットやパッケージもアーティストを彩る意味で、重要でしょう)
ただ、そのメディアが何であるかは、そんなに問題なんだろうか。
テープでしか存在しない音源、ヴァイナルでしか存在しない音源、CDでしか存在しない音源…いろいろあるでしょう。
でも、一音楽リスナーとして興味があるのは、そのメディアの種類ではなく、そこに記録されている音楽なわけですよ。
で、そのメディアが扱いやすいものならば、尚ベター、ってなもん。(さようならCCCD)

「デジタル音源よりもアナログ音源の方が音が良いんだよ。」って声もあるでしょう。
でも、音楽生活のほとんどをiPodで過ごしている私にとって、そんなに高音質な再生環境かというと正直怪しいし、家のオーディオ環境もそんなに良い音が出ているかというと、まだまだ改善の余地がある。

まとめると、そんなにヴァイナルに対する熱狂っぷりは無いのかも、俺は。

ヴァイナルに並々ならぬ愛情を注ぐ掘り師達の吐露を見ていると、少し引いている自分がいた。(Egonの話は少し納得。やっぱり同世代w)
『DEEP CRATES - The Art Of Beat Diggin'』
名だたるHipHopプロデューサー達が、ヴァイナルに対する愛情をぶちまけてます。
「あのネタ使いは俺がオリジナルだ」とか「俺はいつもどこで掘ってた」とか(ある種どうでもいい、でも)非常に熱いコメントを記録したドキュメンタリー作品です。
第2弾『Deep Crates 2』も出ていますが、リージョンコードの壁により日本では見られないかも。



個人的には、これを見るよりもこの本の方が健康的な気がする。

『GROOVE AUTUMN 2007』リットーミュージック
一番印象的だったのは、Cut Chemistのコメント。
少し引用してみます。
Cut Chemist曰く、『ある意味で、レコードを買わなくなる傾向は正しい。理由はいろいろあるよ。まず、レコードを製造することは地球環境に悪い。だから、レコードの製造はいつかやめないといけないと思うんだ。ボール紙、バイナル、CD、DVD、などの製造はいつかやめるべきだし、ソフトウェアはすべてシェアされるべきだと思う。デジタルで音楽が共有されるのは正しい方向性だと思うんだ。レコードは場所をとるし、ユーザーフレンドリーではない。これはもちろん"一般大衆にとっては"という話だけどね。』(28頁より引用)
未来志向で、非常に前向きな考えだと思います。

また、個人的にはTheo Parishのコメントに叱られている気がします。
曰く、『"今でもレコードを買うよ"というだけじゃ不十分だ。それをプレイしろよ!プレイしなきゃ意味がない。買うだけじゃだめさ。それはアートコレクターと同じだ。どれだけ家にいい絵を持っていたって、それを他人に見せてあげなければ持っている価値が無い。』(36頁より引用)

音楽の記録媒体にフラットな価値観を持つCut Chemistと、あくまでVinylに拘るTheo Parish(とDeep Cratesにご出演の多数の方々)。
このコントラストが非常に印象的な昨今です。

Family Four"Rap Attack"のオリジナル、ほ、欲しい~>Cut Chemist殿

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