2007年12月12日水曜日

DさんMC

高校の頃、『さんピンcamp』を観てて思っていたことがあった。

何故、Dさんは怒っていたのか?
怒気を帯びた声でステージ上から、Dさんはこう叫んでいた。

「俺たち日本のヒップホップシーンは、俺たちだけで作っているもんじゃねぇ!
ましてや、今日、ステージに上がっているメンツだけ作ってるもんじゃねぇ!
この会場のどっかで、また遠くで観てる、東京のラッパー、グラフィティライター、DJ、ダンサー、すべてに捧げよう!
そして、今日ここに集まってる、地方から来てるB-Boy、地方に根を張ってるB-Boyたち全員に捧げよう!」

2003年に出た『負け犬伝説』の中でDさんは、こう振り返っている。

『負け犬伝説』唐澤和也著(2003年)
曰く「あの頃は、徐々にだけどヒップホップが盛り上がっていた時期だった。でも、そうなるためにはみんなで少ないパイを分け合うじゃないけど、そういうツラい時期があったはずでしょ。なのに、あのイベントが、ちょっとしたブランドみたいになっちゃって、『さんピンに出演したら勝ち組!』みたいな風潮があったんですよ。俺はそういう何かを切り捨てるムードが、すごく嫌だった。だって、さんピンには、出演者と実力なんて変わらないヒップホップをやっているヤツらが、客として観に来てたんです。悔しい思いをしてね。じゃあ、ステージの上と客席のそいつらとの差なんて、たまたま選ばれたかどうかの差しかなかったはず。なのに、ステージに立てた一部の出演者たちの楽屋での話を聞いてると、客席で悔しい思いをして観てるヤツらに対する思いやりなんてまったくない。いや、もしかしたら、俺らのやっているヒップホップという音楽には、思いやりなんて必要ないのかもしれないけど、でも俺は、そういうの、嫌だったんですよね」(162、163頁より引用)

先日、Amazonで頼んでいたブツ(not初回限定版)が届いた。

『KING OF STAGE Vol.7~メイドインジャパン at 日本武道館』Rhymester(2007年)
3月に生でも観たけど、"RESPECT"前のDさんMCは何度観ても響きます。その思いやりは変わらない。ずっと原点にいるんだなぁ。
そして、マキ・ザ・マジック氏の登場は何度観てもヤラレます。

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